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2006年07月11日|ジャナイトスタッフ日記

スタッフコード007 伝説のサーファーたちへ

サーフィン(カラー)mini.jpg

007ボンドです。
今日はいつもと趣を変え、身近で感動した話を書きます。

私には3つ年上の兄貴がいる。

兄貴は誰からでも好かれる底抜けにいい奴で、
周りにはいつもたくさんの仲間がいた。

サーフィン歴25年。
オリジナルブランドのサーフボードを自ら作っている。
そしてメンバー数200人超のサーフィンクラブを主催
している。

今でもたくさんの仲間に囲まれて羨ましく思う。

クラブメンバーの一人に東北地方在住の若者がいる。
彼の名前は後藤君。

波乗りがやたらに上手く、年に数回は一緒に波乗りを
していた仲間の一人だそうだ。

昨年のこと。
非情にも後藤君は癌に侵され、余命を宣告されました。
その後入院、闘病生活を強いられてきました。

何とか治したい。
もう一度仲間と海に入りたい。

本人はもとより、それは仲間全員の願いでした。

人一倍仲間思いの兄貴は、癌という得体の知れない相手に
成すすべもなく、己の無力さを嘆いたことだと思います。

ある時、兄貴はとある作業に取りかかった。
何かを思いついたかのように。

どうやらサーフボードを作っているようだった。

もちろん自らが唯一のシェイパーである小さなサーフボード
工場を営んでいるわけだから、何ら珍しい光景ではないはず
だが、それが特別の作品であることは周囲の人間にはすぐに
分かったようであった。

数日後、
とあるサーフィン雑誌社のカメラマンが、出来上がったその
サーフボードを撮影していた。

『こんな美しいボードは今まで見たことがありません!』

サーフボード(モノクロ).bmp

その作品に込められた兄貴の想いが、形、色づかいに
現われ、異様なほどの美しい仕上がりになったようだ。

兄貴のボードは基本的にクラブのメンバーやクチコミだけで
販売しているため、雑誌への広告掲載なんてしないはずだが・・・。

そして雑誌の発売日にすべてが判明した

そのボードは、もう一度海へ行こうという願いを込めて作った
後藤君へのプレゼントであり、雑誌広告には彼へのメッセージ
が書かれていたのだ。

たった一人に向けられたメッセージの伝達媒体に雑誌広告を
選んだ兄貴はなんて不器用な男なんだろう。

8万円の広告費を出して、しかもそのボードは商品ではない。
広告反響があったとしても売るものは何もないのである。

雑誌広告は1Pの1/3ぐらいの最小スペースで、大部分は
ボードの写真でとられてしまう。文字情報は写真下のサーフ
ボードの【モデル名】と【特徴】の欄だけで、たったの3行
ほどのスペースだった。

それでも、兄貴の思いを伝えるには十分であった。

雑誌発売の翌日にサーフボードと、付箋が貼られた雑誌が後藤君
のもとへ届けられた。

受け取った彼の感激を、私にはとても表現できない。

言葉にならず、泣きながら兄貴に電話をしてきたそうである。

雑誌掲載の内容は以下であった。

----------------------------
【モデル名】G・O・T・O・H
【特  徴】本当に海を愛する人へ。
     『海へ帰って来い!俺達はみんなお前を待っている』

----------------------------      

この雑誌は後藤君がいつも読んでいる雑誌だった。

実は兄貴からのサプライズが届く数時間前に、後藤君は
いつものようにその雑誌を買い、たまたま兄貴の広告ページを
発見していた。

それが自分へ宛てられたものだと気づき、感激のあまりに電話を
してきたというのが事実であった。

その数時間後にサーフボードの実物が送られてきたのだ。


僕はこの話を聞いて胸を打たれた。
ショックで打ちひしがれた。

自分はなんて恵まれていることか。
自分の悩みはなんとちっぽけなものなのか。
それを痛感さずにはいられなかった。


彼達は今でも闘っている。

仲間達ともう一度海へ入ることだけを夢見て・・・。

私には祈ることぐらいしかできないが、

せめてその小さな夢をかなえてあげたい
j0285255.gif

投稿者 staff007 : 2006年07月11日 00:10

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