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卵のふわふわ

タイトルに惹かれて買った
宇江佐真理さんの時代小説「卵のふわふわ」を読み終わりました。


北町奉行所の同心の妻であるのぶは、
夫の正一郎とあまりうまく行っていないのですが
舅の忠右衛門とは心が通い合っています。
何かと言えば「のぶちゃーん」と、のぶを頼りにする忠右衛門は、
食いしん坊で、すぐお腹を空かす人で、
それだけでなく、変わった料理や貴重な食べ物を好むグルメでもありました。
忠右衛門の妻で、正一郎の母、のぶにとっては姑にあたるふでも、
口はキツイけれど、最終的にはのぶを可愛がっています。

そんな舅・姑に和まされたり、助けられたりしながらも
ある事件から、ついに夫に対する気持ちを爆発させ、家を飛び出してしまうのぶ。
そんな彼女に、忠右衛門夫婦はそれまでと変わらずに接するのでした。

同じ登場人物たちの物語が6篇に分かれて時系列通りに展開されていくのですが、
これがとてもよく出来ていて、
ちょっと変わった食べ物と、主人公・のぶの心情が
うまくシンクロするストーリーになっています。

忠右衛門は、旨いものを食べた時にその詳細を記している「覚書」を持っていて、
そこに書かれている料理が、とても情緒があって魅力的なんです。
表題である「卵のふわふわ」、そして「黄身返し卵」「淡雪豆腐」など、
ちょっと作って食べてみようかなって思うものばかりなんですよね。
それに忠右衛門親子は、隠密同心という仕事をしているので
町で起こるさまざまな事件もストーリーに絡んで来ます。

江戸のグルメ話、嫁姑問題、ちょっと変わった舅、夫婦の問題、
夫の過去、舅の伝説的武勇伝、姑の若い頃の話、町で起こる事件の捜査、
江戸の人情物語などなど、色々な要素が混ざり合って
ひとつの家族の物語になっているのがすごく面白かったです。
巻末の解説を書いている塩田丸男さんも書いていらっしゃいましたが
続きが気になって、どんどんページをめくってしまう作品でした。

江戸ものの時代小説は、今まで
藤沢周平氏、宮部みゆきさん、北原亜以子さんくらいしか読まなかったんですけど
これからは宇江佐真理さんもチェックしてみようと思います。

投稿者 mi-chan : 2008年04月17日 23:58

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