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「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」と、
アフリカの闇の部分を鋭く描いてきたフェルナンド・メイレレス監督が
これまでとちょっと違うテイストの作品を作りました。
有名な小説が原作の「ブラインドネス」です。
突如、視界が真っ白になって失明する謎の伝染病が世界中に蔓延。
発症者は収容所に隔離されることになります。
一番最初に発病した日本人男性を診察した眼科医も感染、
収容所に入れられてしまいます。
医師の妻は、夫に付き添うため、自分は失明していないけれど
目が見えないフリをして一緒に収容施設に入所します。
急ごしらえで隔離施設にあてがっただけの廃屋は、不衛生で、環境も整っていないため、
人々は戸惑い、疲弊し、そのうち、狂気に苛まれていきます。
食べ物も飲み物も、寝床でさえ満足に与えられず、
急に失明したので動くこともままならないのに治療もされず、
何の情報もないんですから、そりゃあおかしくなりますよね。
恐ろしいことです。
施設の中で、動物以下の扱いを受けている収容者たち。
そんな中でも人間というのは
他者に優しく、思いやりを持って接することの出来る人たちと
自分さえ良ければ他者はどうなろうが知ったことではないと振舞う人たちに
二分されるんですね。
そのうち、暴力と恐怖で周囲の人々を管理し、のし上がろうとする人が現れます。
彼らは食べ物を支配し、金品や女性を差し出さなければ食料を渡さないと言い出します。
唯一、目が見えている医師の妻は、
極限下での人間の本性や凶暴性が剥き出しになっていくのを
目の当たりにし、愕然とします。
さらにはなぜ、自分だけがこの病に感染しないのかと考えるようになるんです。
「もし自分なら?」と思うと、ホント、怖いですよね。
原因も理由も治療法も分からない謎の病が蔓延して、
いつ自分も発症するか…という恐怖、そして、時が経つにつれて
なぜ自分だけが感染しないのか、と思う。これも恐怖です。
世界中の人々が盲目なのに自分だけが見えているんです。
劇中の彼らと一緒に戸惑い、恐怖に苛まれ、
事態に翻弄されているうちに物語は終幕します。
この映画は、一見、パニック・スリラーの体をとってはいますが
ただ怖がらせるだけの娯楽映画とは少し違うような気がします。
なぜなら、観ているワタシたちがたぶん一番知りたいことが明かされないからです。
でも、観終わった後に、何かがつかめたような気持ちになるのは確かです。
投稿者 mi-chan : 2008年11月23日 14:24
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