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「ダウト あるカトリック学校で」の演技で
今年、驚異の15回目のオスカーノミネートを果たしたメリル・ストリープ。
ついこの間、「マンマ・ミーア!」で
歌って踊っちゃう豪快だけどキュートなシングルママを楽しそうに演じていたと思ったら
今度は厳格なシスターですよ。
いつも思うことですが、彼女ってどんな役柄でもリアリティと信憑性があるんですよね。
「マンマ~」だったら
本当に数10年間、女手1つでオンボロホテルを切り盛りして来た
おっかさんの歴史を感じさせるし、
今回の「ダウト」でも
相手に緊張感・威圧感を与える表情や身体全体から出す雰囲気で
「あ~、自分にも他人にも厳しく生きて来た女性なのね」と思わせます。
数多くの映画の、星の数ほどいる俳優の中から
たった1回、アカデミー賞にノミネートされるだけでも大変なことだと言うのに
この人は映画出演=オスカーノミネートみたいな感じですし、
例え候補にならなくても、作品にものすごい真実味と重厚さを与えて
その映画自体の価値を一段高いところにグイッと引き上げてくれる気がします。
今回の「ダウト」も、最初は出演の予定ではなかったそうなのですが
興業的に彼女の知名度が必要、ということでオファーがあったんだとか。
もちろん、メリルさん自身も「やりたい役だけど、違う人のほうがいいわよね」
と思っていたらしいので、喜んで引き受けたそうですが
やはり、彼女が出ている、というだけで観客は作品のハイクオリティを保証された、
という安心感と、絶対に面白いんだろうなぁ、という期待で劇場に足を運びますもんね。
さて、そのメリル・ストリープが主演した「ダウト あるカトリック学校で」は、
タイトル通り、アメリカのニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック学校が舞台です。
その学校で、校長を務める厳格なシスター・アロイシスは、
生徒や保護者たちからも人気の高い神父のフリンが
学校で唯一の黒人生徒である少年と“不適切な関係”を持っているのではないか
と疑念を抱きます。
フリン神父の態度がおかしい…と、最初にアロイシスに報告したのは
新人シスターのジェイムズ。
アロイシスの追及にフリンは、理路整然と余裕で釈明。
純真なシスター・ジェイムズは、その説明に納得するのですが
アロイシスは疑惑の鬼と化して行くのでした。
お婆ちゃん率が非常に高いシスターたちの中で
1人若々しい新米のシスター・ジェイムズを演じるのは
「魔法にかけられて」のジゼル姫、エイミー・アダムス。
彼女、お姫様やってる時より数十倍カワイイです!
ピュアで、人をまっすぐに信じていて、健気で、
本当に心から「神様の娘になろう」と思ってシスターになった女の子なんだなぁって
感じがよく出ている演技でした。
それに、お姫様の時より歳月が経っているのに
こちらのほうが若く見えましたよ~。修道女の服のせいかな?
彼女もこの作品でオスカー候補になっています。
そしてなんと、本作にはもう1人、今年のアカデミー賞候補がいるんですよ。
黒人生徒のお母さん役のヴィオラ・デイヴィスです。
10分くらいのわずかな出演時間なんですがすごい存在感でした。
それにしても、役柄のヘアメイクと、
アカデミー賞授賞式の時の綺麗さに違いがありすぎてビックリ。
ハリウッド女優さんって、本当に役によって別人かと思うほど
ガラリと外見を変えますね。
物語のラスト、メリル・ストリープとエイミー・アダムスが2人で話すシーン。
それまでの張り詰めた空気を一瞬で変えるメリルさんの演技の緩急にゾクッとしました。
原作はブロードウェイで大ヒットしたオリジナル脚本の舞台で、
物語はフィクションなのですが
出演者の演技が真に迫っていることや神父と少年の不適切な関係という、
実際にアメリカのドキュメンタリー番組でたびたび目にするテーマだったこともあり、
「ホントにありそうな話だよなぁ…」と、実話モノを見たような気分にさせられました。
ハリウッド映画にありがちな「勧善懲悪」や「ハッピー・エンディング」を
期待して観に行くと、肩透かしをくらってしまうと思いますが
人間が抱く「疑念、疑惑の心(ダウト)」というものに対して
色々と深く考えさせられるのではないでしょうか。
一緒に観た人や、「あ、その映画この間、観たよ~」というお友達と
さまざまな議論に花が咲いてしまうこと必至の作品です。
投稿者 mi-chan : 2009年03月08日 23:55
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